IP電話って何?

IP電話(インターネット電話)が最初に登場したのは1994年頃。

当時のインターネット電話はパソコンをサーバに接続していなければならないという制約があり、手軽に使えるものではなかった。

2000年に総務省がIP電話サービスの本格的な普及に向けて研究会を発足し、昨年ガイドラインが決まった。そして、昨年11月に「050」で始まる電話番号が総務省から付与したことにより、各プロバイダーが今年3月から本格的なIP電話サービスを開始した。

しかし、サービスは始まったばかりでユーザーには分かり難いことが多い。

●IP電話とは?

IP電話とは簡単にいえばインターネットの回線を使う電話サービスです。

IPとは「インターネットプロトコル」の略で、データを送るための決まり事。

「インターネットフォン」の略ではありません。

インターネット電話はいくつかの方式(種類)があります。

 

※プロトコル
  ネットワーク上で相互に通信するために決められた約束事。通信手順、通信規約とも呼ばれています。

 

IP電話は「phone to phone型」だ。

簡単にいえばパソコンを交わさずに電話と電話を結んで通話をするタイプなのです。

一部のプロバイダーでは「PC to phone型」のサービスも続けているので間違えないようにしよう。

●IP電話のしくみ

一般の電話はNTTの電話網を経由して音声信号を送っていたのに対し、IP電話はIP網を経由して音声信号を送っているのです。

「複雑そうだ」と思うかも知れないが、モデムが相手先の電話番号に応じて自動的に回線を選んでくれるので普通にダイヤルするだけでOKです。

●メリットはあるの?

IP電話の一番のメリットは次の2点でしょう。

  ・通話料金料金が安い

  ・050で始まる電話番号が付与される

■料金

電話網の場合は一通話が一つの回線を占有していたのに対し、IP網では一度に大量のデーターを送ることができるので通話料が安くなるというメリットがあります。

・IP電話の通話料金

同じ通信会社のユーザー間通話

無料

一般電話への通話料金

全国一律3分7円〜8円

携帯への通話料金

NTT回線を使うので従来と同じ
yahoo! BB は20〜25円/分)

国際通話

地域により異なる。
(例)アメリカ1分9円

通話料金が安いのは嬉しいが、甘い話にはには必ず落とし穴があります。

それは、ブロードバンド回線と接続端末が必要なことです。

・IP電話の月々の使用料 (@niftySo-nethi-hoの場合)

初期費用

500円

月額費用

280 円(基本料)

IP電話機能付き端末機器のレンタル料

モデム一体型: 780円/月
(従来のADSLモデム500円/月は不要)

TAタイプ:  380円/月
(別途ADSLモデム500円/月が必要)

既にADSLを利用している人ならば月560円のプラスでIP電話が利用できるので、県外通話が多い家庭ならばすぐに元がとれるでしょう。

たとえば、東京〜横浜間で月70分以上通話すれば元がとれる。

しかし、インターネットの使用頻度が少ない人にとってはブロードバンド回線にすることには無駄な出費といえます。

今、もっとも安いyahoo! BB ADSL回線でも1ヶ月に3,543円の使用料が必要なのです。

東京から名古屋(100km以上)に2時間30分電話した場合。yahoo! BB

 ADSL使用料 3,543 375

 

yahoo! BB

ADSL使用料 3,543

375

 

 

 

 

TTnet

通話料金 4,000

 

050の番号は?

IP電話に加入すると050で始まる11桁の電話番号が付与されます。

この番号はIP電話用の電話番号で、一般回線からこの番号をダイヤルするとIP網経由で電話をかけることができます。

050の番号は従来の番号と併用して利用できます。

 

現時点では、1回線に対して050の番号が一つしかもらえないが、技術的には複数の番号を使うことは可能です。複数の番号が付与されれば携帯電話と同じように一人一番号を持ちパーソナル的な利用ができることになるでしょう。

 

●何が必要なの?

IP電話を使うためには、ブロ−ドバンド回線とIP電話接続機器が必要です。

家庭で使っている電話器をモデムに接続するだけでOKです!

 

ブロ−ドバンド回線

ADSL

サービス対象回線はプロバイダーによって違う。
ADSLはタイプ1のみ

IP電話対応端末

プロバイダーからレンタルされる。

VoIP電話付モデム
またはテレフォニーアダプター(TA)

電話機

家庭で使ってる電話機

 

●IP電話の種類

プロバイダーの案内を見ていると、IP電話とインターネット電話の2種類を見かけることがあるだろう。

IP電話とインターネット電話はIP技術を利用している点では同じなのだが、通信網とサービスの内容が異なるので注意してほしい。

 

名  称

利用通信網

通話品質

IP電話番号

IP電話

専用IP網

インターネット電話

公衆インターネット網

×

 

IP電話は通信業者が独自のIP通信網を利用するため、ある程度の通話品質が維持されているが、インターネット電話は公衆インターネット網を利用するため通話品質が一定とは限らない。

 

 

■国内のIP電話グループ

国内のIP電話は、基幹IP網を提供する通信業者により4グループがあります。

IP電話は、通信事業者、回線事業社、プロバイダーの3者の提携によりサービスが提供されるため複雑な構図になっています。

通信事業者

プロバイダー

モデム提供
回線業者

NTTコミュニケーションズ

So-net、@nifty、OCN、Panasonic hi-ho、BIGLOBE
DreamNet、TOKAI、T-com、ASAHIネット、SANNET
ZERO、DTI、U-netSURF、ReSET.JP

アッカ・ネットワークス

KDDI、
日本テレコム、
TTNet

DION、ODN、ASAHIネット、東京電話インターネット
BIGLOBE、Panasonic hi-ho、コジマネット、
デオデオエンジョイネット、SANNET
U-net SURF、InterQ MEMBERS

イー・アクセス

Yahoo! BB

Yahoo! BB

Yahoo! BB

フュージョン

BIGLOBE、CATV事業者、地域プロバイダー

限定しない

サービスの窓口はプロバイダーとなっている。

実際の通話においてどのような違いが生じてくるのか次に説明しよう。

 

●選び方のポイント 1

<料金の違い>

料金はどのプロバイダーともほぼ同じ料金だ。

携帯電話への通話は従来通りNTT回線を使うため通話料金は今まで通りNTTから請求されることになります。

通信事業者

プロバイダー

基本料金
(月)

通話料金

機器レンタル料 ()

会員間通話

固定電話

NTTコミュニケーションズ

@nifty
So-net
hi-ho
BIGLOBE
ASAHIネット
SANNET

280

無料

8円

一体型:780
TA
型:380

TA型は他にADSL
モデムが必要

OCN
DreamNet

380

ZAQ(関西地区CATV13局)

360

.3

TA型:330
71日サービス開始

ぷららネットワークス、NTT-ME

BIGLOBE
ぷらら
WAKWAK
ASAHIネット

280

無料

8円

一体型:730
TA
型:380
(機器はNTT東西が提供)

ReSET.JP
BB.excite

277

7.5

KDDI、日本テレコム、TTNet

POINT
(旧 TT-net)

100

無料

7.5

一体型:780
5
7日サービス開始

DION

90円〜

8円

一体型:780
TA
型:380

ODN

400

8円

一体型:780

BIGLOBE

不明

未定
(サービス開始は4月以降)

hi-ho

不明

Yahoo! BB

Yahoo! BB

390
(*1)

無料

7.5

690

フュージョン

BIGLOBE

280

無料

8円

一体型:780

[2003/4/20現在]     (*1) Yahoo! BB加入者は無料。

 

さて、通話の相手先によって実際の料金がどのように関係してくるのか考えてみよう。

A・B間は、同じプロバイダー同士でも通話料金は無料ではない。

B・C間は、プロバイダーが違っても通話料金は無料。

D・E間は、回線業者とプロバイダーの両方が違っても通話料は無料なのだ。

 

マイラインの場合は発信者側の契約内容だけだったが、IP電話の場合は発信先がどの通信業者を使っているかで通話料金が大きく変わってくる。

一番通話の多い相手と同じ通信業者を選んだのが得でしょう。

もうひとつのポイントは、接続端末の種類です。

 

●選び方のポイント 2

<提供接続端末の違い>

IP電話を使うためには[VoIP電話付モデム]または[IP電話アダプター(TA)]を接続する必要があるが、これらの機器は回線業者から提供されるためユーザが自由に選ぶことができません。

これから新規にADSLに加入する場合や乗り換えする人は、回線業者を選ぶ際に提供されるIP電話接続端末(モデム等)のことも確認したのが良いでしょう。


IP電話を利用するためには下記の2通りの方法があります。

なるべくならば、配線方法が簡単なモデム一体型の[VoIP電話付モデム]を提供している回線業者を選んだ方がいいでしょう。

 

通信事業者

プロバイダー

機器レンタル料 ()

回線事業者

一体型
(*1)

TA
(*2)

アッカ

イー・アクセス

フレッツ

その他

NTTコミュニケーションズ

@nifty

780

380

T-com
TNC

So-net

×

 

OCN

×

 

hi-ho

 

BIGLOBE

---

×

 

DreamNet

380

×

 

ぷららネットワークス、NTT-ME

BIGLOBE

780

380

×

×

 

ぷらら

×

×

 

WAKWAK

×

×

 

ReSET.JP

×

×

 

KDDI、日本テレコム、TTNet

DION

準備中

 

東京電話

準備中

×

 

BIGLOBE

準備中

×

 

 

hi-ho

準備中

 

 

 

Yahoo! BB

Yahoo! BB

690

---

×

×

×

Yahoo! BB

フュージョン

BIGLOBE

780円

---

×

×

×

[2003/4/23現在]

 <凡例>  ◎:IP電話付モデム提供    ◯:IP電話アダプター(TA)の提供

       ●:モデムまたはNTTが提供(種類は未定)  ×:提供無し 

(*1)◎印の回線業者の場合 VoIP電話機能付モデムが提供されるためADLモデムは不要。

(*2)◯印の回線業者の場合 IP電話アダプターのレンタル料で別途ADSLモデムが必要。ADSLモデムレンタル料も含めると一体型より割高となります。

(*3)Yahoo! BBBBフォン使用料が含まれているため無料。

 

 

どの回線業者であってもモデム一体型を提供することは可能なのだが、IP電話用の接続機器は通信業者と提携している回線業者が提供し、ADSLモデムはADSL回線を提供している回線業者が提供するためこのような複雑な現象が起きているのです。

 

IP接続端末提供は、NTTコムの場合はアッカ。KDDIグループの場合はイーアクセスが提供しています。

たとえば、ユーザーが@nifttyのイーアクセスコースを選んでいる場合は、IP電話接続端末とADSLモデムの提供元が違うため一体型を提供できないのです。

@nifttyのアッカコースを選んでいる場合は、機器提供元が同じなので一体型を提供できる。既にADSLに加入している場合はADSLモデムは返却することになります。

 

●申し込みしよう!

決まったらプロバイダーのHPから申し込みをしよう。

申し込みはプロバイダーのホームページから簡単に申し込みができる。

 

1、IP電話申し込み

2、受付完了のメールが届く

3、モデム到着(宅配便で届く)

4、接続設定

5、使用開始

 

今現在、ダイヤルアップやISDNで接続している場合は、ADSL等のブロードバンド切り替える必要があります。