1. アナログからデジタルへ

 画像をコンピュータ画面で見たり処理する為には、コンピュータが理解できるデジタルデ ータにする必要があります。

2 . デジタルデータの種類

 デジタルデータには、スムーズな線で表現されるベクトルデータと、ピクセルという四角いマス目で表現されるビットマップ画像とがあります。
1)べクトルデータ(ラインアート)
 ベクトルデータは、繋がったスムーズな線で表現されていますので、画像をいくら拡大しても、きれいな線で見る事ができます。
 Illustrator 形式などで保存されている画像がそれに当たります。
2)ビットマップ画像
 ピクセルという四角いマス目で画像を表現する為、画像を大きく拡大すると、階段状のギザギザが見えてきます。
 デジカメの写真、スキャナでスキャンした画像など、皆さんが扱われる画像の多くは、ビットマップ画像です。

3. 画像サイズ

 画像サイズを表現する方法には、ファイルの重さや表面積があります。
1)ファイルの重さ(バイト)
2)表面積・パソコンのモニタ画面に見えている大きさ
 (拡大表示、縮小表示されている場合があります)
 ・ピクセル数で表現される大きさ(縦○○○ピクセル× 横○○○ピクセル)
 ・印刷された時の大きさ
  ※ ここで最も注意しなければならないことは、表面積とファイルの重さは、必ずしも比例していないという事です。

4 . 画像ファイルの重さを軽くする方法

1)面積を変えずに、ファイルの重さを軽くする方法
 GIF やJPEG などの保存形式に保存し直して、ファイルを圧縮する。
GIF形式(*. g i f )
 ・色数を2 5 6 色までに抑える事によって、ファイルの容量を軽くして保存する保存形式です。
 ・色数を256色よりも少なくすることにより、更にファイルの重さを軽くする事ができます。
 ・イラストなど、色数の少ない画像に適しています。
 ・透過(背景透明)を使用した場合は、この形式で保存します。
JPEG形式(*. j p g . *j p e g )
 ・彩度を抑えることによってファイルの容量を小さくする保存形式。
 ・圧縮率を指定することができますので、画像の様子を見ながら、圧縮を加えます。
 ・写真など、沢山の色を使用している画像の保存に適しています。
  ※何度も保存し直しを繰り返すと画質が悪くなりますので注意が必要です。
2 ) 表面積( ピクセル寸法) を小さくして保存することによってファイルの重さを軽くする方法
  ※表面積を小さくする割合によっては、ファイルの重さが、かえって重くなってしまう場合もありますので注意が必要です。
  ※ファイルサイズを変更した場合は、必ず、変更後のファイルの重さ(バイト数)を確認するようにしてください。

5.画像の解像度とは

 ・解像度とは、1inch(2.45cm)の正方形の中に幾つの点(ピクセル)が入っているかを表す画像のきめ細かさを表わす方法です。
 ・デジタル画像の(入力)解像度の単位は、「ppi」です。印刷物の(出力)解像度は、「dpi」となります。
 ・解像度が増すほど、細かくきれいな画像となりますが、ファイルは重くなります。
 ・解像度は、印刷を目的とする時、画像をスキャナで取り込む時、デジカメの解像度を決める時にどうしても考える必要が出てきます。

6.利用方法の違いによる画像の解像度の違い

1)パソコン画面上のみでの使用の場合
 ・撮った写真をメールで送って人に見せたい。
 ・画像をホームページに貼り付けたい。
 ・自分のパソコンの壁紙用に使いたい。
  一般的なモニタ画面は、1インチ72個のピクセル( 72pixels/inch→72ppi)です。
  (液晶モニタは、96pixels/inch→96ppi です。) そこで、パソコン画面上のみで画像を使用する場合は、解像度72ppi の画像を用意します。
2)印刷目的での使用の場合
 ・年賀状、案内状、チラシ、名刺など、印刷用に画像を使いたい。
 プライベート使いのものでしたら、解像度150〜200 ppi(pixels/inch)ぐらいの画像を用意します。
 商用でしたら、解像度350 ppi( pixels/inch)ぐらいの画像を用意するといいでしょう。
 パソコンのモニタ画面は、解像度72ppi です。
 もしも、印刷を想定し、画像の解像度が3倍の216ppi と設定した場合、パソコンのモニタ画面では、1インチ当たり72個のピクセルしか表示できないので、216ppi の画像は、画面では実際の印刷物 の3倍の大きさで表示されることになります。
 パソコン画面での大きさ
  10cm×10cm(72ppi)
  20cm×20cm(144ppi)
  30cm×30cm(216ppi)
  40cm×40cm(288ppi)

7.画像処理(加工)する際の注意点

 1.出来るだけ鮮明な大きめな画像を用意すること。
  (画像処理ソフトで修正するには、限界があります)
 2.元画像(オリジナル)は、絶対に加工しないこと。
  (加工する際は、必ず別名をつけて保存し直した画像を使用すること。)
 3.画像サイズ(表面積およびファイルの重さ)を小さくする場合は、画像の加工を全て終らせてから、1回で行うこと。
 4.画像は、拡大しないこと。
  (拡大しなくて済むように、大きめな元画像を用意すること。)

8.画像の保存

1)ファイルサイズを小さくする
 200×200pixel の画像をちょうど半分の100×100pixel に小さくした場合 と、95×95pixel に小さくした場合のファイルサイズは、
 100×100 pixelの場合(11.2KB)  95×95 pixelの場合(12.3KB)
 となり、より小さくしたにもかかわらず、95×95 pixel に縮小した画像の方が、ファイルサイズは、大きくなってしまいました。
 縮小する際は、1/2、1/4、1/8 などに縮小することをお勧めします。

2)保存形式と圧縮率によるファイルサイズの違い
 JPEG 画質100(11.2KB) JPEG 画質80(7.7KB) JPEG 画質60(5.4KB) JPEG 画質40(3.5KB)
 
 GIF 256(10.4KB ) 色GIF 128(8.0KB) 色GIF 64(6.4KB) 色GIF 32 色(5.0KB)

 写真などの多くの色を使った画像の場合ですが、この例でいうと、JPEG で40%まで圧縮 してものほとんど問題なくファイルサイズも十分小さくなります。
 GIF で保存しようと思うと、最も色数の多い256色使用しないと画質が荒れてしまって います。その上、JPEG で保存した場合に比べて重くなってしまっています。

  GIF 256(3.1KB) 色GIF 64(2.1KB) 色GIF 32(1.7KB) 色GIF 16 色(1.4KB)

 色数の少ない絵の場合は、より色数をより抑えたGIF 形式で保存すると良いでしょう。